上機嫌でいこうw

松かさの生活と意見ほか

師弟の織りなす、奇跡の物語、『ピアノの森』

ピアノの森』全26巻が完結した。思えば、『のだめカンタービレ』や

『神童』など、ピアニストを描いたマンガがいくつか世に出たタイミングで

本作も登場したのだが、この『ピアノの森』が最も感動的なものとなったと

言っていいだろう。

いわば、「掃き溜め」の中で生きていた少年・一ノ瀬海は、雨宮修平と

阿字野壮介によって発見されたのだった。森の中に捨てられていた死んだはずの

ピアノから、音を引き出せたのがカイだった。そのことが、雨宮と阿字野の心を

震わせた。

雨宮は、世界的なピアニストを父に持つがゆえに、カイのピアノを意識し、

苦悶する。阿字野は、カイをその「掃き溜め」から救い出そうとピアノを教え、

ついにはショパンコンクールのファイナリストにまで上り詰める。

ショパンコンクールでは、様々なライバルたちが描かれて、物語に厚みを

与えている。特に、呪われた過去を生きていた、中国のパン・ウェイのエピソードは

圧巻だ。

25巻では、圧倒的な筆致でショパンコンクール優勝という、読者の望んでいた

結果を見せるのだが、そこで物語は終わってはいなかった。若き日の

事故によって、ピアニストとしての道を絶たれていた阿字野が復活するのだ。

カイと阿字野に関わった者全てが救われるというラストには、

涙を禁じ得なかった。 

ピアノの森(26)<完> (モーニング KC)

ピアノの森(26)<完> (モーニング KC)