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上機嫌でいこうw

松かさの生活と意見ほか

横山秀夫『64』上下+NHKドラマ版

昨日まで、『64』の文庫上下巻と、YouTubeにUpされていたNHKのドラマ版全5話を堪能していました。以下は、書評サイトに投稿した文を転載したものです。

64(ロクヨン) 上 (文春文庫)

64(ロクヨン) 上 (文春文庫)

 

 

ピエール瀧主演によるNHKのドラマ化(全5話)、佐藤浩市主演による映画化(前後編)がされている話題作。映画が好評なのを受けて(劇場で見た予告編もよさそうだったし)手にした。電子書籍で読了。

刑事畑を歩んだのち、広報官となった三上だが、娘が三か月前に失踪しており、そのことで警察組織に「負い目」を負っている。冒頭、交通事故の加害者を匿名で発表していたことから、記者クラブとの関係がこじれてしまう。

そこへ、未解決となっている「ロクヨン(64)」事件の被害者宅を訪れ、現場の士気を鼓舞するために警察庁長官が来県することになる。会見のセッティングを命ぜられた三上は、被害者である雨宮宅を訪問するが、雨宮は長官の訪問について辞退を申し出る。

「警察との関係が悪化したのか?」三上はかつて、64事件の捜査担当者の一人だった。かつての捜査担当者を訪ね歩くうちに、「幸田メモ」の存在?に突き当たる。

こうして物語は、記者クラブとの緊張関係、長官会見のセッティングと来県の真の目的、雨宮が会見を辞退している理由、「幸田メモ」の所在、刑事部と警務部の対立関係などについて並行して解きほぐしていく形で進んでいく。

長官来県の真の目的とは、刑事部長職を東京のキャリア組が占めることをマスコミを通じて発表することだった。そのことを巡って刑事部と警務部の緊張関係が高まっていく中で、「64事件」を模した誘拐事件が発生する。

刑事部は情報を遮断。マスコミ対策が全く機能しない中で、三上はかつての指揮官・松岡に真相を迫る。

松岡と共に指揮車に乗り込んだ三上は、「64事件」の真実を目撃する。

その誘拐事件は、かつての「64事件」の犯人を狙ったものであった。「64事件」は、ある決定的なミスを隠蔽されていた。そのことで幸田は警察を去り、雨宮は警察に不信を抱くようになったのだ。そして、この誘拐事件は幸田と雨宮が仕組んだものだった。

雨宮は凄絶な執念でもって、かつての犯人を突き止めていた。

この誘拐事件の捜査は、「64事件」の捜査でもあったのだ--。