上機嫌でいこうw

松かさの生活と意見ほか

東浩紀『弱いつながり』

おはようございます。

1冊読み終わって管理サイトに登録したので、それに手を加えてUpしたいと思います。

 

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅

 

 

東さんをTwitterでフォローしているので、いつも誰かに絡まれている面倒くさそうな人だなと、敬して遠ざけていた感があるが、今回Kindleの中に埋もれていたものを読むことにした。読んで正解でした。

日本人は強いつながりに拘泥しすぎているとして、「村人」としてのつながりから去って、「観光客」としての、あえて言うと「無責任さ」を積極的に受け入れようとしている。「旅」が日常から身体を引き剥がし、そこで喚起される新しい「検索ワード」への欲望こそが、風通しのよい人生に向けてのステップであるとされている。

著者は、ネットとは従前の関係を強化する作用を持っているとしている。ネットは、それを利用するの「検索ワード」郡が持っている傾向に合わせて検索結果が予測されてしまうので、その「見たいもの」しか目の前には現れない。

そういった、関係性が強化されてしまうことから遠ざかるために、著者は「旅」を勧めている。身体を移動させ、偶然の要素を取り入れることで、何を検索したいとするかについての「欲望」を更新させることが重要としている。

私が関心をひかれたのは、「憐れみ」「弱さ」「偶然」などを「つながり」のキイワードとしている点である。そこで参照されているのがルソーなのであるが、

人間は本来は孤立して生きるべきなのに、他人の苦しみをまえにすると「憐れみ」を抱いてしまう(略)、つまり彼(=ルソー。引用者による)は、社会契約の根拠は合理的な判断にではなく、むしろ動物的な(略)、きわめて日常的な感覚」が、「目のまえの不正義に対応する

と述べている。言葉による「正しさ」の追求は、無限の定義のゲームを呼びこむのに対して、その素朴で力強い点を強調しているのである。

ネットに接続できる環境を持ったまま旅に出ることで、日常的な検索することへの欲望を更新し、計画や予測の硬さよりも、むしろ偶然な出来事によって開かれる可能性を積極的に評価することで、新しい人生の局面が開けるとする、著者も言っていることではあるが「人生論」として書かれている書物であったと思う。