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上機嫌でいこうw

松かさの生活と意見ほか

国家を考えてみよう(橋本治、ちくまプリマー新書)

こんにちは。

今日からセミが鳴いています。昨日は鳴いていなかったと思います。さて、今回もさる読書サイトに投稿したものを転載します。

国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

 

 

まさに、「怒涛」「圧巻」という言葉こそがふさわしい展開であった。 

 

この著では、国家について考える際につきまとう面倒さについて考えられている。図書館に行くと、国家論は政治学ではなくて、哲学のコーナーに置かれている。これは、私たちが知っている国家とは違う、当時の国家を対象としているためで、国家とは歴史的にいくつかの相を呈しているのである。それを橋本は、「くに」という漢字の成り立ちから、中国・日本での変遷を追いかけるという形で示している。

また、ヨーロッパでも「state」「nation」の2つの層があることを指摘している。前者は「領土」を中心として、後者は「国民」を中心とした表現のされ方であって、歴史的には「nation」が新しいものとしている。さらに、「国民(国家)」の歴史が浅いこともあって、かつての「領土」であった時代の痕跡がしばしば現れると指摘する。

続けて、「国民の国家」の下であっても、「代表者」ではなく「指導者」が現れることがある、国家主義とは国家についての「不安」から生まれるといった、「いま」に対するアンチテーゼをたっぷりと含んでいる。「選びたい人がいない」に対して、「選びたいような人が生まれてくる世の中にする」「することがなくて暇だったら」そう考えることをおすすめするとしている点はお見事。